レビューブログ【レブログ!】

映画、アニメ、ドラマ、マンガ、書籍、英語読書の感想(ネタバレなし)が6000件以上!


メイコの遊び場<全3巻>

精神を崩壊させる不思議な力を持った少女が
依頼に応じてヤクザたちを無力にしていく話。


1970年代の大阪を舞台にした作品で、
仲のいい子供たちと無邪気に遊ぶほのぼのした場面と
容赦なく裏稼業をこなす様子とにメリハリが利いている。
ターゲットを懲らしめる世界観に
最近新しく教わった遊びが絶妙に表れているところが面白い。


ヤクザたちが罰せられる詳しい原因は説明されないが、
悪者たちが粛清されていく様子は
地獄少女」を連想させる気持ちよさがある。


既存の要素を新鮮な組み合わせで描いた作品。

高速スライダー 幸運な男・伊藤智仁

高速スライダー 幸運な男・伊藤智仁

高速スライダー 幸運な男・伊藤智仁

ヤクルトスワローズで活躍した伊藤智仁投手が
故障に苦しんだ選手人生をまとめたもの。


史上最高とも言われるスライダーを投げながらも
その負担で度重なる故障に見舞われる様子が描かれており、
プロにとって身体の不調がいかに苦しいかが伝わってくる。


プロ野球ファンでなくても読める内容だが、
似顔絵タッチで描かれた周囲の人物と異なり、
伊藤だけは妙に子供っぽく表現されていて
仲のいい少年と区別しにくかった。


試合中の能力ばかりが注目されがちだが、
選手としてパフォーマンスを維持する大切さがわかる1冊。

永遠の0(ゼロ)<1~3巻>

永遠の0 : 1 (アクションコミックス)

永遠の0 : 1 (アクションコミックス)

第2次世界大戦で零戦のパイロットだった
祖父の行動について調べていく話。


生存している老人たちの証言から
徐々に祖父の人柄や生き様が明らかになっていく構成で
なかなか真相にたどり着かないのはやきもきするが、
ひとつひとつのエピソードには引き込まれる。


主人公の祖父について探っていく話だが、
それよりも当時の海軍の様子が垣間見えるところが面白い。
実写映画版がずいぶんと話題になったが、
エピソードの味わいとしてはマンガ版の方が満足できた。


【関連作品のレビュー】
永遠の0(実写映画)

真・異種格闘大戦<1~3巻>

真・異種格闘大戦 : 1 (アクションコミックス)

真・異種格闘大戦 : 1 (アクションコミックス)

  • 作者:相原コージ
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2013/06/28
  • メディア: Kindle版

地球上のさまざまな獣たちが
最強の座を目指して1対1の戦いをしていく話。


動物同士がトーナメントで戦うという非常に単純な設定だが、
猛獣たちが全力でぶつかり合い、
有利不利がテンポよく入れ替わる様子が面白い。


動物に関するさまざまな雑学が織り交ぜられており、
それぞれの動物のキャラクターが
しっかりと味付けされているのもいい。
妙に理屈っぽいところが「グラップラー刃牙」を連想させる。


「面白ければそれでいい」と言わんばかりの強引な展開で
子供のときに想像したような
動物同士の戦いが楽しめるマンガ。

セブンティウイザン<1~2巻>

セブンティウイザン 1巻: バンチコミックス

セブンティウイザン 1巻: バンチコミックス

定年退職を迎えた主人公の妻が突然妊娠し、
老夫婦で手探りしながら出産に備えていく話。


70歳で妊娠という設定は突飛だが、
誰でも不安と戸惑いを感じる初産において
精神的・肉体的な変化がテーマとなっており、
老夫婦だからこそのやり取りが表現されていて新鮮。


互いの人柄をよく理解した夫婦が
それぞれの過去を思い返しながら
必死で子供を迎え入れようとする様子が楽しめる。


高齢者という設定はあくまで初産を丁寧に描くためのもので、
妊娠や出産を経験したことのある人が共感しながら読む作品。


【関連作品のレビュー】
セブンティドリームズ

いとしの印刷ボーイズ

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印刷会社が日々どんなトラブルに悩まされているかを
コミカルなタッチで描いたもの。


印刷会社の営業部を軸に、
クライアントや印刷工場の板挟みになりながら
いろいろなシチュエーションを紹介していく。
印刷関係で起こりがちなトラブルネタが連続するので、
業界関係者なら共感できるだろう。


マンガとして面白いものではないので、
あるあるネタを楽しみたい印刷関係者か、
業界の舞台裏を見てみたい人向け。

Stand by me 描クえもん<1~3巻>

売れっ子マンガ家を目指していた青年が
業界のさまざまな問題に悩まされる話。


大ヒットした「海猿」を手がけた佐藤秀峰による作品だが、
あちこちに実体験をベースにしたと思われる部分があり、
作者自身が苦しんだ過去がうかがえる。


編集社や漫画家仲間、原作者が
いかに厄介者なのかが描かれており、
多少の脚色はあれど、かなりのリアリティを感じる。


登場人物の大半がクズなキャラクターで
ひたすらエグい言動が続くので感情移入はできないが、
どんどんエスカレートする醜悪な展開に目が離せなくなる。


【関連作品のレビュー】
漫画貧乏
海猿
ブラックジャックによろしく

涙が乾くまで

事故で記憶を失った男性を助けるため、
妻として支えていこうとする主人公の話。


オランダ人作家の原作をマンガ化したもので、
ある秘密をギリギリまで隠して展開していくが、
結構な伏線を張りつつも真相がバレないようになっており、
全貌がわかったときのスッキリ感は悪くなかった。


表紙のデザインや雰囲気は古臭いが、
実は2020年2月発売の最新刊と知って驚いた。
結構なベテラン漫画家のはずなのに
顔の造形が安定しない絵なのは残念。


気軽な気持ちでサッと読める短編ファンタジー。

戦争は女の顔をしていない<1巻>

戦争は女の顔をしていない 1 (単行本コミックス)

戦争は女の顔をしていない 1 (単行本コミックス)

  • 作者:小梅 けいと
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2020/01/27
  • メディア: Kindle版

第2次世界大戦において、軍の元で働いた
ソ連の女性たちの様子をまとめたもの。


関係者へのインタビューをまとめた原作をマンガ化したもので、
戦時下の女性たちの様子が淡々とまとめられている。
当事者の現在の姿や取材をする原作者の姿も描かれているが、
インタビューをまとめたものという記載がないので
どういう形で作られた本なのかを知らないと状況が読み取りにくい。


洗濯部隊や機関士など、
戦争映画などではあまり取り上げられない立場の人が
どういう日々を送っていたのかがわかる。
取材する側の余計な感情は一切挟まれず、
あくまで中立の立場で描かれているところは好印象。


ひとつのストーリーになっているわけではなく、
ブツ切りのエピソードが続くが、
マンガとしてのクオリティが高いので、
それぞれに感情移入しながら短編集として楽しめる。


物語としての盛り上がりや爽快感を期待するものではなく、
戦時下の様子を知るための資料としての1冊。

ザ・テクノロジー マンガでわかる11の最新技術

ここ最近話題になった技術が
どういったものかをマンガで解説したもの。


3Dプリンターや自動運転、VRなど
近年よく聞くようになった技術について
マンガでサラッと学べるのはありがたいが、
どれも今さら感があるものばかりなので、
よほど流行に疎い人以外は新鮮味がないだろう。


また、肝心のマンガのクオリティが低く、
顔のアップが妙に多く、各コマがごちゃごちゃしていて
どうにも読みづらいのは残念。


技術についてマンガで解説するというコンセプトは悪くないが、
もっと感心するレベルまで情報を掘り下げて欲しかった。

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