レビューブログ【レブログ!】

映画、アニメ、ドラマ、マンガ、書籍、英語読書の感想(ネタバレなし)が6000件以上!


インビクタス -負けざる者たち-

1994年の南アフリカ共和国を舞台に、
アパルトヘイト(人種隔離政策)が撤廃されたばかりの
黒人と白人の様子を描いた人間ドラマ。実話。

黒人を見下していた白人と、そんな白人に抑圧されていた黒人は
お互い恨み合う感情を持っていた。
そんな中、全人種による選挙で
黒人であるネルソン・マンデラが大統領に選ばれたところから始まる。

アパルトヘイトが撤廃されたからといって
白人と黒人の溝がすぐになくなるわけではなく、
白人ばかりで構成されたラグビーチームの人気は低く、
差別の象徴のようにとらえる黒人も多かった。
そんなラグビーのワールドカップ出場の流れを軸に
徐々に理解を深め合う黒人と白人の姿が描かれる。

2時間を超える内容ながら、かなりの盛り上がりを見せ、
特にクライマックスとなるラグビーの試合はあまりにも素晴らしい。
単なるスポーツというだけでなく、その背景として
黒人と白人に関するさまざまな想いが語られるため
並大抵ではない感情移入をしてしまい、応援したくなる。

そんなに都合よくいくのか、という疑問は
「実話である」という説得力によって打ち消される。
人種問題から目を背けたり、その痕跡をなくそうとするのではなく
あくまでお互いの理解によって解決しようとする姿勢と
国民がひとつの方向に向かっていく雰囲気が素晴らしい。

ある程度の予備知識があった方がいいが、
とにかくグッとくる見事な人間ドラマ。オススメ。

総アクセス数