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阪急電車

大阪周辺をカバーする私鉄である
阪急電鉄の今津線を舞台にしたオムニバス形式の小説。
宝塚駅から出発し、西宮北口駅に着くまでの8駅において
それぞれ主人公を変えながら話が進む。
そこからまた折り返しで続くため、行きと帰りで16エピソードがある。

オムニバスとはいえ、別のエピソードでの主人公を引き継いだり、
あるエピソードで見かけた人物が次のエピソードで主人公になったりと
エピソード間のつながりは強め。
ひとつひとつのエピソードはそれほど長くないのでサクサク読める。

電車から見た景色や駅周辺の様子などが生々しく、
その周辺で生活している人にとっては非常に親近感が湧くだろうが、
同じ阪急電鉄でも神戸線の利用者であったり、
まったく別の地域で生活する人にとってはいまいちピンと来ない部分はある。

さわやかな話ばかりでなく、いろいろと嫌な悩みが絡んだりするが
総じて軽い印象で読むことができる。
特別大きな感動は得られないが、駄作というわけでもない。
背景の変化や登場人物の違いで、ひとつの電車が
駅を経由しながら進んでいく様子を感じられるのは新鮮。

【関連作品のレビュー】
阪急電車 片道15分の奇跡(映画)

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