要人暗殺任務を担当する部隊の1人を主人公とするSF小説。
かなり評判が良い作品のようだが、個人的にはそこまでの魅力は感じなかった。
SFとしての近未来の装備や武器の設定は面白いが
それらの説明や描写に行数を取られてテンポが悪いように思う。
序盤の作戦行動はミリタリー系に詳しくない人にもわかるよう、
かなり親切に説明されているが、その分、少し幼稚に感じてしまったし、
中盤以降は近未来の社会を表現する情景描写がくどく思えてしまった。
設定的に軍事関係の要素が入っているのはもちろんとして
さらに政治や社会情勢までトッピングされていて
内容が非常に濃く、そういうのにどっぷりとハマる人はいいのだが、
サクサクと展開していくスピード感を重視したい私は
話の本筋をたどろうとするだけで読み疲れてしまった。
終盤はなかなかに盛り上がるし、
タイトルにも挙がる「虐殺器官」というアイデアはすごく刺激的。
映像化に向いている素材だと思う。
【関連作品のレビュー】
虐殺器官(アニメ)