1994年にアフリカのルワンダ共和国で起こった紛争において、
危険が迫る人々を自分のホテルへとかくまった
ポール・ルセサバギナに関する実話を描いたもの。
国民の中でツチ族にあたる者とフツ族にあたる者との対立が原因だが、
そのあたりの歴史的背景や予備知識がなくても理解できるようになっており、
むしろ何も知らない人にこの出来事を伝えることに優れた作品。
日本に住んでいる限り、まず想像しないような状況で
ほとんど何も頼れるものがない中、なんとか生き抜いていく人々が描かれる。
自分やその家族がいつ虐殺されてもおかしくないような緊迫状態の中、
さまざまな機転を利かせて場を切り抜けていく主人公が素晴らしい。
単に博愛精神があるだけでなく、非常に人間味のある様子が感じられて
主人公に深く感情移入しながら観てしまう。
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