虐待父がようやく死んだ (バンブーコミックス エッセイセレクション)
- 作者:あらいぴろよ
- 出版社/メーカー: 竹書房
- 発売日: 2019/08/16
- メディア: Kindle版
父親からの暴力・暴言に苦しんだ作者が
異常な家庭で育った日々を振り返ったもの。
周囲から見えないDV行為が
どのように行われるのかという生の体験談が恐ろしい。
自分に対する暴力だけでなく、言葉による蔑みや親同士の喧嘩で
どんどん卑屈に追い詰められている様子がわかる。
読んでいると辛い思いを追体験することになるが、
家庭内暴力の実録エッセイとして
そういったリアルな状況が垣間見えるのは貴重。
また、ふと冷静になった作者が
自身も歪んだ感覚を持っていることに気づく部分があり、
同じような境遇の人が自分を客観視する助けにもなる。
家庭内暴力によって周囲の人間にも
負の影響が広がっていく様子が描かれており、
虐待の連鎖がなかなか途切れない怖さが伝わってくる1冊。
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美大とかに行けたら、もっといい人生だったのかな。