第1次世界大戦のフランスにおいて、
危険の迫る味方に伝令に向かうイギリス兵の話。
全編が1カット撮影された状態で構成されており、
最初から最後まで映像が一切途切れないという強烈な造り。
常に主人公目線で描かれるというだけでなく、
主人公と観ている側で状況を知るタイミングを変えたり
同時に起きている出来事を遠景にチラ見させたりと
演出としてうまく活かされているのが素晴らしい。
危険な地域にわずかな人数だけで乗り込む不安や
何が起こるかわからない怖さが常に漂っており、
最後まで気が休まる暇がない。
味方がいない状態がひたすら続き、
主人公の状況に唯一共感できるのが
観客という見せ方も面白い。
いつ死んでもおかしくない戦争中の極限状態が
見事に表現された傑作。