チンパンジーと人間の間に生まれた少年が
高校に通い始めることで巻き起こる騒動を描いたもの。
人間と同等の知能に加えて
チンパンジーが持つ身体能力を備えており、
言葉通り人間離れした動きに興奮させられるが、
本作の見どころは人間と動物の違いやその定義を問う部分だ。
ヴィーガンやテロリズムなど
よく議論される題材をそのまま作品に取り入れており、
たった1匹のヒューマンジーがいることで
いろいろな意見が飛び出し、読んでいる側も考えさせられる。
アメリカらしい世界観がうまく再現されており、
主人公の周辺で何が危機にヒヤヒヤさせられるとともに、
常に物事を客観的に見るチャーリーの視点が新鮮で面白い。
このままアメリカ映画になりそうな筋書きで、
想像以上に深いテーマを味わえる社会派な作品。