仕事にも恋愛にも行き詰まっていた男性が
脳の働きを100%引き出す薬を手に入れる話。
特別な才能にも恵まれず
堕落した生活を送っていた主人公が
一気に全能感を味わう様子が痛快で、
サクセスストーリーとしての気持ちよさがある。
それでいて常に不安要素があり、
危機的な状況をどう乗り越えるかという
目が離せない展開も面白い。
多幸感や中毒性、禁断症状は覚醒剤とそっくりで
薬に頼り切った虚しい生き方を
皮肉として描く側面もある。
アップダウンがいくつも用意された筋書きで
最後の最後までしっかり楽しませてくれる良作。