知人の父親が急に渦巻き模様に
取り憑かれるようになったことをきっかけに
町の中でさまざま事件が起こっていく話。
最初はひとつのストーリーを展開していくが、
徐々に主人公の周辺で起こる奇妙な出来事を
独立したエピソードで描く短編集のような読み心地になり、
終盤にはまたひとつの大きな流れに合流していく。
生活に密着した舞台ながら脈略のない展開ばかりで
独特の気持ち悪さと生々しさがあり、
先が読めない伊藤潤二の作風が味わえる。
めちゃくちゃな世界観ではあるが、
登場人物の言動や感情はリアルで説得力があった。
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