奇病の流行により若い男が激減した江戸時代に
場内で限られた者だけが立ち入ることができる大奥で
繰り広げられるいざこざを描いたもの。
堺雅人が主演を務めた2012年のテレビドラマ版は
徳川3代将軍である家光と有功の関係をじっくりと描いたが、
本作は数話ごとに焦点を当てる時代を変え、
各世代における徳川将軍を軸にしたエピソードを展開していく造りで
長い歴史を感じる原作マンガの醍醐味がよく再現されている。
いろいろとクセのある登場人物が多いが、
それぞれのキャスティングが絶妙で
よくも悪くもその個性がヒシヒシと伝わってくるし、
ころころと主役が入れ替わるのにその都度感情移入してしまう。
出番の少ないキャラクターにも実力のある俳優を割り当て、
原作の面白さを遜色なく伝えようとする
NHKの底力を感じる贅沢なドラマだった。
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