「マッドマックス 怒りのデス・ロード」に登場した
フュリオサの過去を描くスピンオフで、
彼女がシタデルの砦に来た事情や左腕を失った経緯を描いたもの。
並走する車同士の戦いに白熱した前作と比べて
今作は戦闘シーンがかなり少なくなっており、
フュリオサが成長していく流れを軸にした人間ドラマが中心。
新たに登場したバイク集団は個性的で見応えがあるが、
それ以外は前作で見たキャラクターばかりなのでインパクトは弱め。
それでも数少ない戦闘シーンは非常に迫力があるし、
新しいアイデアを取り入れた戦い方に興奮させられる。
要所要所に前作の世界観を感じる描写があったり、
徐々に我々の知るフュリオサの姿に近づいていく流れは嬉しいが、
映画としてはややテンポが悪くて長すぎるように思えた。
最後の決戦も妙に引っ張るせいでダラダラした印象。
冒頭で意味ありげに出てきた幼馴染に特に意味がなかったり、
宿敵のはずのディメンタスに中途半端な言動があったりと、
もう少しシンプルにした方がいいような部分も目につく。
本作のノリで2時間半というのは長すぎて中だるみしてしまう。
前日譚なので今作だけでも理解できるが、
それなら前作を見た方が絶対に楽しめるし、
前作を知っている人には期待したほどのデキではないので
どちらにしてもちょっと物足りないのが残念。
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