体が弱くて気の小さい息子を心配して
いろいろとサポートする母親の話。
子供が嫌いなわけでも暴力を振るうわけでも
家庭を顧みないわけでもないのに
ジワジワと「毒親」になっていく過程がとにかくリアルで、
過干渉になり、プレッシャーをかけ、
選択肢を奪って子供を追い詰めていく流れがよくわかる。
子供への愛情はあったし、普通の日常を送っていたのに
欲と不安に悩まされて道を踏み外していく様子がとにかく怖い。
サイコパスを表現する見せ方も非常にうまく、
ホラー作品としても秀逸なデキ。
家族それぞれに感情移入させる見事な構成で、
子供を持つ人に漏れなく読んで欲しい1冊。