想いを寄せていた男性に必死でアプローチし、
振り向いてもらえたと思った瞬間に
世界から彼の存在がいなくなってしまう話。
好きな人に好かれるために全力で努力する序盤は
コメディタッチなノリも含めて面白く、
主人公の一途なキャラクターがよく伝わってくる。
中盤になるとガラリと展開が変わり、
ちっとも報われない状況にもかかわらず
ヘコたれずに努力する主人公の姿が微笑ましくも切ない。
ただ、ここが本作のピークなのが残念。
終盤になると謎だった序盤の裏側が語られるが、
ここで明かされる真相がかなりイマイチ。
わかりにくいだけであまり意味が感じられないし、
ああいう結果になる説得力が弱くて納得しにくい。
これなら男性が障害に悩む中盤部分だけを抜き出して
一途で切ない恋愛ものにしてくれた方が
素直に楽しめる作品になったように思う。
引き込まれる場面が結構あるのに
全体としてチグハグな内容になっているのが惜しかった。