名門の進学校に通う中学生が周囲から執拗にイジメを受ける話。
どこにも逃げ場がないまま悪質なイジメが続く前半は非常に辛く、
イジメと父親の板挟みでどんどん苦しめられていく。
エグい作品にある程度耐性がないと、途中でやめたくなるだろう。
本作を見ると、イジメ問題について
「いじめられたらやり返せばいいんだ」
「いじめられる方にも問題があるんだ」
という意見は出せなくなる。
複数の人間に真実を握りつぶされる怖さがリアル。
次々と新しい展開を見せるテンポの良さに目が離せなくなり、
ハマりまくったキャスティングが感情移入を後押しする。
後半から始まるサイコパスな展開の気持ち良さは最高で、
さんざん我慢させられた前半の恨みが一気に爆発する。
1994年という古い作品ながら、心に残る傑作。