唐突に発生した霧が町を包み、
スーパーマーケットに立ち寄った主人公たちが足止めを喰らい、
外に出ようにも正体のわからない何かに襲われる話。
全体的にB級ホラーの臭いが漂い、
序盤に登場する敵がCG感バリバリなのに辟易したが、
実は本当に怖いのはモンスターではないことが
徐々にわかりだしてくる中盤以降が素晴らしい。
登場人物の印象はあまり良くないものの、
いずれも人間臭くて本当にいそうな人たちだけに
実際にこういう状況で
スーパーに閉じ込められたらどうしよう、というリアリティが感じられて良い。
圧倒的なリーダーシップと正確な判断力で仲間を率い、
数々の危険を打破していく、なんてのはまさに映画にしかない理想であって
主人公も含め、誰にでも弱い面がある、という切り口なのが新しい。
ある瞬間には正しい判断に思えても
結果的には無意味だったりデメリットを生む原因となることもある。
しかし未来を読むことはできないし、全体の状況も知り得ない場合は
何が正しい判断なのか自体、誰にも区別できない。
原作と違うという映画オリジナルの結末も相当に悪趣味で良い。
変に妥協しないでくれて本当によかった。
途中までB級だと決め付けていたが、結末までたどり着くと
観てよかったと思える作品だった。
【関連作品のレビュー】
後味が悪すぎる49本の映画(書籍)