魔法使いたちから被害を受けている「ホール」という町を舞台に、
魔法が効かない体質を持った爬虫類男の周辺を描いた話。
かなり独特なファンタジー作品で、
設定やキャラクターは他作品に類を見ない突飛なもの。
魔法使いたちが住人を襲う理由が魔法の練習をしたいから、などという
あまりにも気楽に残酷な行為をしているのが興味深い。
組織化された魔法使いファミリーとホールの住人の関係が
言わばマフィアと市民のようになっている。
作品全体にセオリーを踏襲しない空気が漂っており、
先の展開がどうなるか予想できない。
ただ、マンガとして非常に読みにくく、
人物の様子がどうなっているのか読み取りにくい場面や
世界観や設定がうまく理解できないことがある。
何回も線を上書きしたような絵も読みにくさに拍車をかける。
活き活きとした個性的なキャラクターと、
独特な世界観に惹かれるかどうかによって大きく人を選ぶ作品。