クロニクル

クロニクル (字幕版)

友達同士の高校生３人があるきっかけで超能力を手に入れる話。

全編に渡ってカメラから撮影した映像で展開され、
「クローバーフィールド」などに代表されるPOV方式の作品だが、
主人公の持つカメラに限らず、劇中に登場するカメラにザッピングしながら見せていく。
最初はわざわざ混乱するような見せ方がイマイチだと感じたが、
終盤になるとその演出がぐっと活きてくるのがわかる。
映像が一旦切れて次に再開する際に
時間の経過と状況の変化を伝えるのがうまいのにも感心する。

高校生が超能力を手に入れると
こんな行動に出るだろうな、と納得できるふざけたノリが
一気にシリアスに変わっていく後半の展開が素晴らしい。
家庭環境も悪く、学校でも居場所のない主人公の
非常に不安定な精神状態がうまくストーリーに絡んでいる。

超能力の表現方法は「AKIRA」を連想する仕上がりだし、
ごく普通の学園生活の中に超能力が入り込む様子は「キャリー」も思い出す。
超能力をトッピングに、思春期の切ない様子を描いた良作。