日本版「Shall we ダンス?」を元にしたアメリカ映画版リメイクで、
退屈な日々を送っていた中年男性が
ふと見つけた社交ダンス教室に通う話。
本作を初めて観たならともかく、
オリジナル版を観たことのある日本人には見劣りする内容で、
日本版のキャスティングの見事さを再認識させられる。
近寄りがたい憧れの先生はやはり草刈民代だし、
ラテン系でカツラの同僚のキモさは竹中直人が一番。
ダンス教室のおばあちゃん先生のかわいらしさ、
控えめで不器用な中年サラリーマンの主人公、
大人しい妻と活発な娘、いずれも日本版のキャスト方が
ストーリーに合うように感じる。
それと、日本版にあった
事故に遭ってもパートナーを守ろうとした話がなかったり、
最後のパーティで照明が明るい上に騒がしく、安っぽいのも残念だ。
ラストまでに途中で先生と一曲踊ってしまうなんてもってのほか。
あれは、それまで先生とちゃんと踊ったことがなく、
最後の最後でなんとか駆けつけたらたまたまパートナー選びの場面で
シーンとした会場の中、先生が妙にいい発音で
「Shall we dance?」と言うところにグッと来るんであって、
到着と同時に拍手が巻き起こり、
「さあ踊って来いよ!」みたいなノリじゃダメなのだ。
ダンスシーンには感激するんだけども
それ以外で感じられた情緒や深みが
少しなくなってしまっているように感じたのが残念だ。
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Shall we ダンス?(日本映画版)