リンゴを無農薬で育て上げることに心血を注いだ男性の話。
実際のリンゴ農家の実話をベースにした作品。
登場人物のキャスティングや演技は素晴らしいが、
周囲の人々に迷惑をかけたり家族を犠牲にしてまで
無農薬栽培に挑戦することにはどうにも共感できなかった。
「諦めない大切さ」を表現したかったのだろうが、
嫁ぎ先を破産寸前にしたり、一家が路頭に迷うような危険を犯すのは
ただの無謀・無鉄砲だと思うので、素直に感動できるものではない。
せめて生活は維持できる形で取り組んで欲しかったところ。
また、無農薬を謳う「奇跡のリンゴ」には実際にはいろいろと批判もあるようで、
そのあたりも考えると、単純に感動できる物語なのかも疑問だった。
本作を観て「無農薬=善」「農薬=有害」という単純な考えを持つのは避けたい。
映画として観た場合もあまりにも王道すぎる筋書きだし、
主人公の自分勝手さには辟易させられたので、
そこまで感動作としてもてはやされる出来だと思わなかった。
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