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申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。

申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。
大和書房 (2014-08-22)
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アメリカでコンサルタントとして活躍した作者が
これまでの業務内容を振り返り、コンサルタント会社の失敗例を通して
業務や評価の望ましいあり方を語った本。

話に挙がる企業が海外のものなので馴染みがなくイメージしづらい部分はあるが、
企業の相談役としていろいろな戦略やアドバイスを提供し、
高い報酬を手に入れていく、というイメージの強いコンサルタントに関して
具体的な例を挙げながら数々の問題点を説明していて面白かった。

コンサルタントが頼りにしているビジネス理論に関しても
新しい理論が生まれ、しばらく流行っては消える、ということを繰り返しているだけで
ダイエットプログラムと大した違いはない、という大胆な発言。
立派なグラフを作れば顧客は感心してくれる、とか
将来の変化を予測するのは難しすぎるのに
正しい将来予測を前提とした戦略策定なんてできるはずがない、など
コンサルタントのという業務が非常に弱い土台の上に成り立っていることがわかる。

コンサルタントの言うことは絶対に正しい、というイメージに反して、
確実な予測をし、革新的な戦略を策定し、
戦略を忠実に実行したのに大失敗した、という例を挙げている。
逆に、作者が顧客の問題点をなんとか解決しようとした話も出てくるが、
非常に人間味あふれる内容で、真剣に改善を考え、努力したことが伝わってくる。
結局、コンサルタントに従ったところでうまくいかないことや
従わなかったのにうまくいったことなどが普通にある、というのが興味深い。

ただ愚痴や失敗談を並べているわけではなく、
その中にはビジネスに関する「真理」が含まれている。
また、それが各企業の現行のやり方を風刺している。

社員が現状改善しようと計画を立てたところで
それがうまく実行されて効果を発揮するかは不確実だが、
戦略を策定しようとする作業が関係者の知力を磨くことになる、という理屈は素晴らしい。
また、それをコンサルタントまかせにしてしまうと、
社内にそういった効果をもたらすことがなくなってしまい、
コンサルタントが去った後に大量の資料だけが残るだけ、というのも
各企業でのよくある光景が思い当たるようで面白い。

企業名、ビジネス用語、コンサルティング用語、
専門用語などやたらカタカナが出てくるので、
それぞれの用語が何を表しているのか把握するのが面倒だったが、
コンサルタント関連の話題だけでなく、
現状分析や目標の立て方、人物評価、人材育成などに関しても
非常に参考になる内容だった。ビジネス書が好きな人にオススメ。