スニーカーを盗んだ罪をかけられ、矯正施設へ入れられた少年と
その少年につながっていく昔話を描いた話。英語小説。
児童向けの小説だが、英語の多読練習向けの本としても人気があり、
読みやすい英文と非常にうまく構成されたストーリーが楽しめる。
ラダーシリーズで言うとLEVEL3程度の負担に思えたが、
チャプターが細かく切ってあり、
テンポのいい展開ばかりで読むのが止まらなくなる。
主人公と周囲の少年がすべてhe、himで表現されるので
誰を指しているのか読み取りにくくて混乱したり、
登場人物の名前と特徴を結び付けるのに苦労したが、
全貌が見えない怖さと緊迫した周囲とのやり取りが気になり、
どんどん読み進める引きがある。
キャラクターも立っていて感情移入しやすいし、
主人公たちのエピソードの間に挿入されていた
昔に起こった出来事が
終盤でピタリとつながるところが素晴らしく気持ちいい。
すべての伏線が綺麗に活かされる一作。
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