失踪した娘の痕跡を追っていく男性が徐々に娘の裏の顔に気づいていく話。
小説「果てしなき渇き」を原作とした実写映画。
短気で誰にでも容赦なく暴力を振るう主人公や何度も登場する残虐なシーンなど
インパクトの強い過激な作品だが、残念ながらあまり面白くない。
主人公がやたらと大声で悪態をつくのも
聞き苦しいだけで迫力につながっていない。
一番の原因は人間関係や筋書き、行動の意図が説明不足すぎて
原作小説を読んでいない者にとっては意味がわからないところだ。
(消化不良のまま観終わった人は解説記事のブログなどで補完するとよい)
冒頭のコンビニ強盗と事件の関連性や
話に絡んでくる複数のグループの立場と利害関係、
娘の行動とその時間軸がやたらとわかりにくく、
いくらショッキングな場面が展開されても意味がわからなくて楽しめない。
もう少し説明を工夫し、事件の全貌がスムーズに伝わるようにしなければ
主人公にも娘にも感情移入できないだろう。
「冷たい熱帯魚」「告白」「悪の教典」など残酷だが魅力的な映画はあるが、
単に過激にしたからといって面白くなるわけではないのだ。