犯罪が多発するヨハネスブルグを舞台に、
町中に配備されるロボット警官のひとつに人間的な感情が備わる話。
方向性としては「ロボコップ」や「ショート・サーキット」に近いが、
単なるゆるい内容に留めておらず、
いろいろなことを考えさせられるストーリー。
非常に多く要素を入れつつも素晴らしく綺麗にまとまっているのは見事。
あらゆる要素を伏線としてきっちり活かす手腕にホレボレする。
無邪気だった子供が貧困層へと落ちて犯罪に手を染める様子がよくわかるし、
やむを得ず悪に染まっていく姿の痛々しさに複雑な想いを抱く。
犯罪者の方にもそれぞれの考える正義があったりして
善と悪の倫理観を揺さぶられるような内容。
限られた登場人物を非常にうまく使っていて
いろいろなメッセージが込められている。
よくある「人間の感情を持ったロボット」とは段違いのデキ。
これだけ山盛りにしながらも見せ方が絶妙で混乱せずに理解できるし、
きっちりとカタルシスを感じさせてくれる場面もあって
冒頭からラストまでひとときも退屈せずに観ていられる。
3本の映画を観終わったような高い満足度が得られる傑作。オススメ。
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