父親の仕事の都合でサンフランシスコへ引っ越した少女の感情を
頭の中に住むキャラクターとして描いたCGアニメ。
個人の喜びや怒りなどの感情を
そういった性格のキャラクターとして表現し、
彼らが人間の言動を操作しているという設定は
安易で退屈なストーリーになるかと思ったが、
これが非常にうまく現実の世界と絡めていて面白かった。
子供向けの作品に思えるが、いろいろな経験と
どういったことが人間の成長につながるかを知っている大人の方が
本作の設定の面白さをより深くまで理解できるので楽しめる。
主人公の少女だけでなく、他人の意識についても描かれたり、
ボーッとしたり夢を見たりする普段の様子が
うまく頭の中の世界とシンクロしているのは素晴らしい。
笑いと緊迫感、感動が絶妙な配分で絡み合っていて
子供から大人まで楽しめる完成度の作品。
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