丸子実業高校バレーボール部員自殺事件の全貌をまとめたもので、
高校生が自殺に至った流れと、その母親との戦いの記録。
「バレー部だった高校生がいじめを苦に自殺した」と聞くと
すぐ学校や部活内での問題を思い浮かべるが、
実は母親の言動が大きく関与していた、という事件。
壮絶としか言えない母親がリアルに伝わってくるし、
自分の身に降りかかってもどうしたらいいかわからない怖さがある。
学校としてできるだけのことをやっても事態が好転しない恐怖。
あらゆる手段を使って騒ぎ立て、
是が非でも自分の欲求を通そうとする母親の言動には身震いさせられる。
社会性のない人間は、どれだけ理屈で説明しようとしても通じず、
事実を捻じ曲げて自分の都合のいい受け取り方に持って行ってしまう。
説得も交渉も釈明もうまくいかず、
どんどん疲弊していく関係者は本当に大変だっただろう。
読み始めたら止まらないサイコホラーとしても楽しめるし、
モンスターペアレンツへの対処例としても参考になる。オススメ。