街なかにある妙な建築物に関して、写真と考察を書いたもの。
「超芸術トマソン」が何かを作中の言葉を借りて説明するなら
「不動産に付着していて美しく保存されている無用の長物」となる。
いろいろな経緯があって結果的に入り口がないのに階段だけ残っていたり、
上り下りできないほど高い位置にドアがあったりと
写真を眺めているだけで面白い。
この分野を生み出した筆者たちは偉大だが、
せっかくの写真が白黒でかなり見にくいのが残念。
また、写真の説明文が写真よりもずっと早く登場したり、
文章が冗長気味で読みにくかったりする部分があったりと
本として編集がイマイチなのがもったいない。
世の中に実在する無意味なものを
いろいろと見たい好奇心旺盛な人向け。