さまざまな組織の中で、適任とは思えないような人員配置が
なぜ起こるのかを理論立てて説明した本。
世の中には能力の高い人も低い人もいるのに
それぞれが無能化する立場に留まってしまう
構造的な欠陥を説明していく。
ほとんどの組織は、大勢の人数を
少数の人間が管理するピラミッド構造(=階層社会)だが、
その中で昇進や解雇が行われるうちに
どんどん成果の出せない集団になっていくという視点が面白い。
いろいろな事例が挙げられていて
自分の経験を振り返っても、納得できるものが多い。
ただ、1冊すべてがピーターの法則に絞って解説されており、
後半になると冗長に感じてくるのも事実。
また、なぜ無能になるのかが詳細に語られるばかりで
無能にならない方法や優秀な組織を作る方法が提示されず、
前向きな解決法が語られないのもやや不満が溜まる。
あくまで組織作りや人員配置の問題提起として読む本で、
本書の内容を踏まえて発展的な改善を目指すべきだろう。