「ろくでなしBLUES」や「ROOKIES」で有名な作者が
お笑い好きな高校生を主人公に描いたもの。
お笑いがウケている場面を描くときには
実際にそのネタが読者にとっても面白くないとおかしいので
そのあたりが非常に難しいのだが、そこはさすが森田まさのりと言える面白さ。
今までの作品でも会話の随所にボケやツッコミが入っていたが
それが本題となって連続する形となる。
絵は相変わらず美しく、非常に描き込まれた写実的なものでありながら
見やすくて愛着の湧く画風。
笑いでウケることにひたすら執着する主人公が
いろいろと悩みながら話が展開していくが、
それを反対する父親の理由が語られる3巻が素晴らしい。
笑いをテーマにしながらも、笑いの厳しい部分や
その裏の努力、しがらみなどがしっかりと描かれていて
「生易しいものではないお笑い」という深みを生んでいる。