棺に遺体を納める「納棺師」を主人公とした話。
納棺師は葬儀業者とは異なり、死者の身体を綺麗に拭き取り、
化粧や着替えをして棺を納めるまでを受け持つ。
映画中にはその様子が何度も出てくるが、
いずれも遺族がズラりと見守る中の作業となり、
死者の肌が遺族に見えないように着替えを行う様子や
生きている頃と変わらないように化粧をする様子は目を見張るものがある。
本作のクオリティを支えているのが
主役である本木雅弘とその上司である山崎努。
この2人が納棺する様子は非常に美しく、
遺族たちが死を受け入れていく様子も納得である。
凛とした立ち居振る舞いと美しい手さばきは素晴らしい。
妻役の広末涼子はやや若すぎる雰囲気で、
妙にキャピキャピした印象があるが、
全体として登場人物すべてが非常に存在感があり、
観終わった後にも「いい映画を観た」という感想を持った。