宇宙へ進出した人間が資源採掘を行おうとした惑星で
独自の文化を持った先住民族たちが障害となったため、
異星人の肉体に憑依できるシステムを使って
彼らの一員としての内情を探っていく話。
主人公は憑依システムについても惑星についても
先住民についてもほとんど何も知らず、
序盤でそれらを一気に学習していくが、
この展開が観ている側にも同調しやすく、
特に惑星独自の動植物や先住民の文化を体感していく流れで
同じように好奇心と知る楽しさを刺激されて面白い。
惑星の雰囲気と先住民の文化が緻密に設定されていて
クオリティの高い質感とワクワクする雰囲気に満ちており、
2時間半を超える長時間作品ながら
時間を忘れて観ることができる。
最初は独特の風貌のヒロインに違和感を感じるのだが、
主人公が先住民の生活に馴染んでいくに従って
不気味に思えていた彼女が美しく思えてくるから不思議。
この辺はとにかく主人公に感情移入できるように作ってあり、
未知の世界観を体感できるという楽しさを味わえる。
さらに戦争映画としての一面もあり、
ラストに近づくにつれてどんどん盛り上がっていく。
観ているうちに思い入れが強くなって
惑星を侵略する人間たちを敵と感じるようになるのが面白い。
前半で見せられたいろいろな要素が伏線として活かされる
無駄を感じない脚本と設定も見事。
観客が思う「こうなって欲しい」という思いに
ことごとく応えてくれる展開で、
非常にスッキリとした気持ちで観終わることができる傑作。
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