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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 通常版 [DVD]
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言わずと知れたリビルド版エヴァンゲリオン。
テレビ版で衝撃を受けて以来、かなり感化されたのは事実だし、
それが今また綺麗に新しくなって映画化されたとなれば
嫌でも期待する。そして世間でも概ね好評だった。

が、しかし、個人的にはイマイチなデキだった。
画像に関しては確かに格段に美しくなり、
要所要所にCGを活かした滑らかな挙動も見られる。

だが話のテンポや演出としては
テレビ版の方が数段上に感じるのだ。
こればかりはテレビ版の完成度が素晴らしすぎたとも言えるが
たとえばヤシマ作戦などは短いカットと説明で
何をどうしようとしてるのか短時間で理解でき、
速やかに作戦決行まで進んで行ったが
今作では割ともたつく上に、
初見の人には作戦内容自体がややわかりづらい。

使徒と撃ち合う部分も両者が撃った光線が
中央でぐにゃりと干渉し合い、互いに外れたのち
すぐに次弾の装填と準備、
それよりも早い敵の再攻撃をすかさず零号機が防ぐなど、
息を呑むテンポが最高だったのだが、
今回は「弾が外れた」というより「効果がない」という演出で
テレビ版よりもイマイチ燃えない流れになった。

零号機の盾もただの強力な盾となっており、
スペースシャトルの底部から急遽作ったというユーモアと
リアリティが逆になくなってしまった。
同様に、戦略自衛隊技術研究所から陽電子砲を徴発する際に
天井をエヴァで剥ぎ取ってしまうという画的な面白さも存在しない。
このあたり、シリアスな中にも独創的なユーモアがあっただけに
削られてしまったのは非常に惜しい。

トウジにまつわるエピソードもやや省略されており、
エヴァのパイロットだということが
クラスメイトにバレる場面がそっくり省かれているために
唐突にトウジがシンジを殴りつけるという、
意味の伝わりにくいものになった。

また、エヴァのコクピットに入り込んだ際のシンジの必死さを受けて
一発分のゲンコツを返してもらう場面も存在はしているものの、
テレビ版のような、トウジの人間性が感じられにくくなっている。

評判に聞く、使途ラミエルの変形に関しても個人的には反対派で
攻撃する瞬間に変形する時間があるため、
「近くに行くと一瞬で反撃される」というテレビ版で感じた
圧倒的な恐怖感と迫力がやや軽減されたように感じる。
倒した瞬間を含めて映像的には美しいが、
火を噴いて墜落していく姿の方が
闘いの余韻としてはよかったのではないか。

全体的に、時間的な制約の少ない映画化によって
1話30分のテレビ版のテンポが崩れたように思う。
息もつかせぬまま一気にクライマックスまで持っていくノリが
私がエヴァに感じる価値だったのだ。

時間を気にせず作れるのはある意味ではいいのだろうが、
テレビ版のギリギリまで無駄を削って洗練された完成度は
それだけでひとつのスピード感につながっていた。

完結までの全作を観てみないことには判断できないが、
現時点では個人的に期待外れな作品になってしまった。残念。

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