料理に関して抜群の腕を持つネズミが
落ちこぼれの見習いシェフに手を貸す話。
コックとネズミが心を通じて会話し、
力を合わせて成功していくのは気持ちいいが、
そのネズミが割とリアルなシルエットをしており、
集団でズラズラとキッチンにうごめいているのを見ると
架空の話とわかっていても嫌悪感を抱く。
もっとデフォルメされてるならともかく、
悪いイメージの方のネズミとして描かれているので
そんなキャラクタが料理を直接触る描写の違和感が消えなかった。
脇役の人間たちも自分勝手だったり目立たなかったりと
イマイチなキャラクターばかりだし、
コックの日本語吹き替えが耳障りなのも残念。
途中で唐突に恋愛話が始まったが、
そもそも本作には恋愛要素がない方がスッキリしてよかった気がする。
彼女が協力してくれるのは恋愛感情ではなく、
仲間意識やコックのプライドのおかげだった方が共感できる。
一定のクオリティはあるものの、
スッキリと楽しめない設定と魅力のない登場人物で
一度観れば十分といった作品。
【関連作品のレビュー】
ピクサー流 創造するちから(書籍)