炭鉱にかげりが見えた昭和40年台のある田舎町で、
観光スポットとして立ち上げたハワイアンセンターの呼び込みのために
地元の娘にフラダンスを仕込む話。
文句のつけどころのないキャスティング。
どの登場人物も見事なハマり役で
ひと目で顔と特徴が印象付けられる上に演技もうまい。
それぞれ個性あふれるキャラクターで
そのほとんどに愛着を持つことができる。
ひねくれて感情移入しにくいキャラクターがいなく、
個人個人の事情や想いによって衝突が起こり、
それを人間的な成長をもって乗り越えていくのが
観ていて気持ちいい。後味もよい。
笑える部分も多く、しっかりと感動させてくれる場面もあり、
相当に練習を積んだと思われるフラダンスそのものも
素人が見ても楽しめる完成度だ。
昭和40年という時代の表現やセット、
俳優たちのキャスティングから演技、ダンスまで
妥協せずに作ったということが画面から伝わる。
まさに洋画には真似できない邦画のいい部分を見た感じだ。