恋人とバンド活動をしていた男性が
ほとんど耳が聞こえない状態になってしまう話。
聴覚障害者にとって周囲の音が
どのように聞こえるのかがうまく表現されており、
まったく無音なわけではなく、
音の解像度が極端に低いという感覚が体験できる。
また、音を聞き取ることができない人たちが
どのような生活を送っているのかも描かれている。
ただ、ストーリーとしては非常に単純で
これといった盛り上がりがないため、
映画として没入できる要素が見つからなかった。
聴覚を失う苦しみや大きな環境の変化を乗り越えても
その努力に見合う見返りがなく、後味の悪さが残る。
聴覚障害のリアリティは十分に味わえるが、
映画としての面白みに欠けるのが残念。