殺人罪で13年の懲役に服していた中年男性が
出所後の生活に苦労する話。
偏った狭い世界で生きていたことと
すぐにカッとなる性格が災いして
なかなか世間に馴染めない歯がゆさが心苦しい。
それでいて実直で正義感が強く、
弱者が虐げられることを見過ごせないことが
より社会から浮いてしまうところも皮肉が効いている。
善人と悪人の両方の要素を持ち合わせた主人公を演じる
役所広司の存在感が素晴らしく、
彼を取り巻く周囲のキャラクターも魅力的。
なんとか支えようとする思いやりがいちいち温かい。
罪を犯した以上、自業自得とも言えるが、
元受刑者が社会に復帰する難しさをリアルに描いた良作。
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