組同士の抗争で死んだヤクザの息子が
ふとしたきっかけで暴力団の仲間入りをする話。
チンピラだった頃から始まって3つの時間軸を描くが、
それぞれの時代で変化した状況を利用して
暴力団の盛衰を非常にうまく描いている。
20年という大きな幅のある時間経過を
見事に演じ切る俳優陣たちが本当に素晴らしい。
世話になった人に恩を返そうとする主人公の想いと
ヤクザの面子を保つための意地に強く感情移入できるし、
法律や条例によって組が弱体化していく切なさにもグッとくる。
いろいろな登場人物の近くに家族の存在を感じさせ、
その絆に絡めた心苦しいストーリーが見どころ。
各時代における暴力団という存在の変化と
1人の男の人生を絶妙に重ね合わせた傑作。
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