大学教授としても働く政治学者が
小学校のPTA会長になったことをきっかけに、
負担感やストレスの少ない運営体制に変えていった実録。
保護者たちにボランティアを強制し、
多大な手間と心労をかけさせているPTAについて
その運営や人間関係の実態がまとめられており、
まともな感覚で見たときの違和感が
生々しく書かれていてわかりやすい。
PTA役員の負担や面倒くささは
直接経験したことがなくても想像に難くないが、
前例や慣習に流されない筆者が
ジワジワと改革を進めていく展開が気持ちいい。
本書に書かれた成果はあくまで一例であり、
地域によっては簡単に再現できるものではないだろうが、
関係者の心情や立場を踏まえつつ
組織の自律性や結束力を強化する様子は参考になるだろう。