地元から離れた高校に通う少女を軸に
黒人がアメリカ社会で味わう生きづらさを題材にした話。
「隔たる世界の2人」と同様に
黒人というだけで白人から疑い深い目で見られ、
ちょっとした行動でも不審がられる不自由さを
非常に生々しく描いている。
周囲の反感を買わないよう
注意深く行動しようとする肩身の狭さとともに
同級生の無神経な振る舞いに心を痛める様子に
感情移入すればするほど心苦しくなる。
2時間10分を超える長尺ながら
ずっと目が離せない居心地の悪さがあり、
無駄な部分がほとんどない見事な構成。
かなり重いテーマなので何度も観るエネルギーは湧かないが、
黒人が浴びている偏見がリアルに味わえる傑作。