実在した能楽師を題材にしたもので、
足利義満が世を治めていた室町時代を舞台に
事故で盲目になった少年が
奇形児として生まれた仮面の男と出会う話。
独特の映像表現と個性的なキャラクターで
一気に物語に引き込まれる迫力がある。
あまり馴染みのない室町時代という世界観も
凄みのある映像や画風のおかげでカッコよく見える。
中盤は大部分がミュージックビデオのような構成で
主人公たちのパフォーマンスをひたすら見せつけられるため
ミュージカル作品だと心構えしていないと面食らうが、
歌や琵琶をロック調にアレンジして行われる
大規模なライブパフォーマンスはかなり見応えがある。
ストーリーが進むのは序盤と終盤だけだが、
自分の生き様にこだわる若者の姿が感じられて
他作品にはない味わいが体験できる作品だった。