お笑いコンビ、バナナマンが初めて出版した書籍。
2人がトークしたラジオの内容を文章に起こしたものなので
ラジオを聴いている人にとっては知っている内容が多いだろう。
バナナマン好きとしてはもちろん読めば面白いのだが、
残念なのはこれがファン以外にとって面白いかどうかが微妙なところ。
バナナマンの会話の面白さというのはその内容だけでなく、
2人の話し方やリズム、設楽を好きすぎる日村と
それを鋭く突き放す年下の設楽との人間関係などが
絶妙に絡み合って出来上がっているため、
この本を「本」として読んでもおそらくその面白さは伝わらない。
そのため、どうせならネタを考える設楽のセンスや
日村のエピソードなどを踏まえて普通に原稿を書いてみて欲しかった。
会話の記録ではなく読んでもらうための文章として書かれていれば
おそらく本としても質の高いものがバナナマンなら生み出せたはずだ。
バナナマンのファンを増やすため、という目的ならば
この本を貸すよりも2人のコントDVDを貸した方が確実だ。
この本はあくまでファンがバナナマンを確認するためのアイテム。
しかし「さいしょの本」だからこそ、
新たなファンを増やす内容であって欲しかった。そこが残念だ。