情報を奪うスパイとして活躍する主人公だが、
直接的に書類やデータを奪うのではなく、
情報を持っている人を眠らせて夢の中で情報を盗むという設定。
間違いやすいのだが、誰かの夢の中に入り込むイメージではなく
ターゲットを含む複数の人間で同じ夢を共有する。
そのため、ターゲット以外の意識も夢の世界に反映される。
そういう設定が独特で魅力的なのは確かだが
冒頭の編集の仕方がかなり意地悪で、
時系列をいじってラストシーンから始まる上に回想シーンに飛び、
さらに夢の中の出来事だったりするので
最初の30分ほどは意味がまったくわからないまま話が進む。
あまりにも何のことかわからなくて不安になるが、
劇中で初心者にレクチャーするシーンでやっと説明をもらえる。
そこさえ乗り越えれば一気に内容が面白くなってくる。
もともとビジュアルのインパクトは素晴らしく、
いろいろな世界観での強烈な映像が楽しめるのは見事。
これだけ衝撃的な見た目はなかなか味わえない。
どれがどのレベルの夢で何が現実かをつかむのが大変だが、
それこそがこの作品の魅力とも言える。
キャラクターも魅力的だし、面白い作品には違いない。
ただ、非常にややこしいのも確かで、
観終わった後に即2回目を観たくなる作品。