まったく言葉の通じない世界に舞い込んだ主人公が
いろいろな情報から言語を習得していく話。
設定や世界観はよくあるファンタジーものだが、
文字も言葉も文法も独自の内容になっており、
わずかなヒントからその構造や単語を推測していく過程が面白い。
ただし文章のクオリティはあまり高くなく、
情景描写などが非常に貧相で状況がわかりにくい。
キャラクターのイメージも全然伝わってこず、
いつまで経っても登場人物が整理できない。
主人公のことが三人称で書かれているのに
文章は主人公のモノローグのように見えるのも
どの視点で書かれているのかわかりにくくて混乱する。
言語分析以外のストーリー部分には魅力がなく、
終盤まで事件らしい事件が起きないまま
ダラダラと言語習得の流れが続くのが残念。
未知の言語を解読していくときに
どういった手順を踏むのかに興味がある人向け。