アナログゲームの「人狼」を題材にしたゲームブック。
段落ごとに分解されたストーリーがバラバラに印刷されており、
自分が選択した行動に合わせてページを行き来していく。
直接的に段落番号が示されるだけでなく、
謎が解けない限り行き先がわからないようになっており、
リアル脱出ゲームにも似た発想力が試される。
段落番号非常にうまく使った謎が多く、
膨大な謎解きを破綻させずに本として仕上げたことに感心した。
どうしてもわからない場合は公式サイトにヒントも用意されている。
ゲームブックである以上、手書きでメモするのは止むを得ないが、
「重要な記録」としてやたら長い文章を書かされるのと、
手がかりさえ埋まれば話を進めてしまえるために
重要な情報が抜けていことに気づかないトラブルが起こるのは残念。
どれだけがんばってもクリアまで5~6時間かかるボリュームで
ストーリーと謎解きをたっぷり楽しめる秀逸な造り。
かなりの集中力と作業量を覚悟する必要があるが、
リアル脱出ゲームが好きな人には面白い1冊。