ごく普通の生活を送るための収入すら確保できず、
極端な貧困状態に喘ぐ女性たちのインタビュー集。
親の失職や身近な人からの虐待・DVによって
人並みの収入が得られない状況に陥り、
やむなく風俗業界に手を染める女性たちの状況が
生々しく記録されている。
女性たちの言葉と記者による補足説明が
非常に読みやすい形で構成されており、
風俗業界で働く女性たちが
どういう境遇と感情で生活しているのかがよくわかる。
世間にどの程度いるのかという割合はわからないが、
学校で満足に勉強した経験がなかったり
必要な情報を得られなかったりして
身体を売って稼ぐ手段以外が見つからず、
いつまでもその状況を脱することができない悪循環が怖い。
特に打開策は提示されておらず、
後悔ばかりが書き連ねられているので
読んでいるとどんどん気持ちが落ち込んでいくが、
普段接する機会のない貧困層の女性たちの
具体的な身の上を垣間見れる1冊。