人口の限られた田舎の孤島で、
寂れた民宿と雑貨店を営んでいた女性の孫が
福の神を見つけたことで生じる変化を描いたもの。
正体不明で善か悪かもよくわからない福の神だが、
その効能が強烈で、人が出ていく一方だった孤島に
どんどん人と金が集まっていくところがうすら怖い。
一見、何もかもうまくいっているように思えて
次に何が起こるかわからないところに恐怖を感じる。
ビジネスの手腕を発揮して島を発展させようとする祖母だが、
それをよく思わない者たちの衝突や
福の神が起こす謎の行動が絡んできて
常に不幸の予兆が漂う作風に目が離せなくなる。
どういう話なのか、何が面白いのかが説明しにくい作品だが、
福の神に妖怪のような要素を融合して
独特の奇妙さが味わえるようにしたサスペンスホラー。