男運に恵まれず、苦労の末に港町に行き着いた女性と
いろいろなことに思い悩む小学生の娘の話。
太ってて間が抜けている肉子の話が半分以上を占めるが、
どうにもキャラクターとして魅力がなく、
ガサツな振る舞いに好感が持てなかった。
特に人間的な魅力で周囲を惹きつけているようにも見えないし、
娘のために配慮しているような様子も伝わってこない。
小学生ながら大人びている娘の方は感情移入がしやすく、
彼女のモノローグを通して展開されるエピソードは
子供の視点での友達付き合いや親の存在が追体験できる。
ただ、「おもひでぽろぽろ」などと比べると
楽しさや感慨深さが感じられなくて残念。
肝心の肉子の言動に共感できる部分がなく、
母子家庭の日常をブツ切りで見せられるだけの
作り手の自己満足のような作品だった。