精神を患っているせいで
動物たちがしゃべる幻覚に取り憑かれた男の話。
殺人を犯しながらも悪意が感じられないキャラクターが斬新で、
平凡で社交性のない孤独な主人公の暴走気味の言動が怖いし、
彼の目に映るペットや部屋の様子が
現実と違って賑やかで小綺麗というのも恐ろしい。
ただ、最初の殺人が起きたあたりがピークで
そこからの展開が思ったほど盛り上がらないのが残念。
特にクライマックスは妙にあっさりしていて
期待したようなインパクトが感じられなかった。
もっと主人公の妄想が加速していって
手がつけられなくなるような恐怖を味わいたかった。