田舎の文具店にふらりと現れた男の
隠された正体を探っていく話。
女手ひとつで子供を育てていた女性と結婚し、
林業を営みながら暮らしていた男性の素性が
ジワジワと明かされていく没入感の高い筋書き。
秀逸なキャスティングも相まって
非常に緊迫感とテンポが維持される展開だったが、
終盤で急に失速してあっさりと終わってしまうのが残念。
また、企みに加担した男性の動機が語られないので
物語が複雑化した理由がハッキリせずモヤモヤさせられる。
ミステリーとしての面白さを期待してしまう構成なのに
唐突に話の本筋からズレてしまうようなラストで、
あと一歩で良作になっただけに非常に惜しい印象だった。