赤ん坊を切望していた夫婦が
人の形に似た切り株を息子として扱い始める話。
妙にアップが多い独特のカメラワークだが、
赤ん坊に執着してノイローゼに陥っている導入部から
妊婦のように振る舞って収拾がつかなくなる場面、
食欲が治まらないオチークの暴走など
次々に展開していくストーリーがすべて恐ろしい。
気味の悪いストップモーションに定評のある
ヤン・シュヴァンクマイエルが監督を務めており、
動きは粗くてもその生々しさや存在感が素晴らしい。
割とクセのある作品なので好みは分かれるが、
いろいろな狂気が味わえる異色ホラー。
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ヤン・シュヴァンクマイエル 短篇集